AppleがAppleArcadeを発表したのとほぼ時期を同じくしてアナウンスされたGoogleのゲームストリーミングサービス『STADIA』。
こちらも詳細についてはまだ不透明な部分が多く、今後も随時ピックアップしていきたいと思いますが、現状分かっているいくつかのポイント、魅力についてご紹介しておきたいと思います。
ハードウェアに依存しない、ストリーミングのゲームサービスであるSTADIA。ゲームのストリーミングサービスという点だけ見れば、先行する他社のサービスがあるわけですが、GoogleのSTADIAはそうした既存のゲームストリーミングとは、どこが違うんでしょうか。
そもそも『ゲームストリーミング』とは?
STADIAの概要をご紹介する前に、まずはゲームのストリーミングについて簡単にお話しておきたいと思います。
人によって『ゲーム』というもののイメージは様々かもしれませんが、基本的にはゲームをプレイするとなった場合、自分がプレイしたいタイトルを実際に遊べる環境が手元にあるか、という所からスタートしますよね。
iPhoneアプリで面白そうなゲーム(アプリ)が話題になっていたとしても、自分のスマホがAndroidでは基本的には遊べませんし、家庭用ゲーム機でずっとファンだったRPGの続編がリリースされるといった場合でも、そのソフトがPS4専用ソフトとしてリリースされるとなればPS4本体が必要になります。つまり、ゲームをプレイできる環境(ハード)というものが必須になってくるわけですね。
これに対してストリーミングタイプのゲームであれば、本来そのゲームをプレイする上で必要となる処理全般はサーバー上で行われるため、プレイヤー側が用意するハードウェアや求められるハードの環境といったものは最小限になります。
極端な言い方をすれば、自分の手元に必要なハードとしては、様々な処理がされたゲームの画面を表示する(そのゲームのストリーミングを受け取る)ことが出来るモノさえあればよく、最新の家庭用ゲーム機や高額なゲームPCを購入する必要はないわけですね。
Googleのゲームストリーミングサービス【STADIA】概要
現在アナウンスされているSTADIAの紹介を見る限りでは、このゲームストリーミングサービスを楽しむ上で必要となる環境はほぼGoogleのウェブブラウザであるChromeのみ、と言えます。
つまりChromeさえインストールされていれば、高価なハイエンドPCやスマホでなくても一定の(Googleの提供サービスである以上、極めて高い?)クオリティで、ハードに依存することなくゲームをプレイできるということ。普段動画を視聴している手元のデバイスでYoutubeを観るように、STADIAでストリーミング配信されるゲームを手軽に楽しむことが出来るわけですね。
ゲームストリーミングのサービス自体はソニーのPlayStation NowやMicrosoftのx cloudなどがありますが、PS Nowで言えばPS4の本体が必要だったり、x Cloudで言えばWindowsOSが必要だったりするわけですが、この点GoogleのSTADIAは圧倒的に広い対象ユーザーに対してゲームコンテンツを提供することが可能であると言えます。
Apple Arcade、Google STADIAの時代が来る?
・チート/ハックが不可能
・スマホ/Mac含め端末問わない
・Googleサーバで高スペ処理実現利用者目線だけでもメリットデカすぎ
ゲーム界のNetflixに成り得る#STADIA #GoogleGDC19 https://t.co/65Mmpjzbiv— あまおか@xRエンジニア (@like_amaiokashi) 2019年3月19日
とはいえGoogleのSTADIAも専用コントローラーの存在も発表されているので、厳密には「Chromeさえあれば」というわけにはいかないかもしれませんが…。
そして実際にこのSTADIAがユーザーを掴んでいくためにはこうした背景もさることながら、このSTADIAで楽しむことができるゲームコンテンツがいかに魅力的か、という点が当然なにより重要になってくるはずですね。
ご紹介した通り、この点で言えばAppleArcadeでもAppleが巨額の先行投資を行う(すでに世界中の名だたる人気クリエイターと接点を設けたり支援環境を整えたりしている)ことからもそれがよくわかりますよね。
Googleもこうしたゲームクリエイターを強力にバックアップするため、ゲーム開発者の多くが利用するゲームエンジンをサポートしたり、クリエイター向けの開発用ハードウェアを作ったりとSTADIAの成功と拡大のための準備を進めているようです。
少なくとも日本国内においては、まだゲームと言えばハードとそれ専用のソフトを購入したり、アプリをダウンロードしたりして楽しむもの、というイメージを持っているプレイヤーが多いと思いますが、ユーザーのライフスタイルやお金の使い方の変化なども後押しして、『ゲームを楽しむ』という事の位置づけ自体が変わっていく可能性は多いにあるはず!
そこにAppleのArcadeやGoogleのSTADIAが登場し、既存のゲームプレイヤーはもちろん普段それほどゲームと接することがないユーザーに対して、どんな新しい価値を提供していくのか、引き続き追って行きたいと思います。